子供にスマホを持たせる前に!親子で考えるルール作りのコツと例

スマホ利用の低年齢化が進む現代、スマホによる事件やトラブル、ネット依存の低年齢化も深刻な問題となっています。
特に、まだまだ自己管理が難しい小中学生においては、スマートフォンに潜む問題点や危険性を十分に理解することは難しいでしょう。
事前にルールを決めておかなかったために、持たせた後で口出しすると子供が反抗したり、知らず知らずのうちに悪影響を及ぼしたりしているケースも少なくありません。
とはいえ、ルールを決めたにも関わらず子供が守ろうとしなければ意味がありませんよね。
そこで今回は、親子で考えるルール作りのコツと、ルールの例をご紹介します。
▼目次
- 1 スマホのルール【決め方のポイントと具体例】
- 1.1 1.1日の利用時間を決める
- 1.2 2.使わない日を作る
- 1.3 3.フィルタリング、機能制限は親が設定する
- 1.4 4.自分の部屋に持ち込まない
- 1.5 5.食事中は触らない
- 1.6 6.使用上のマナーを守る、ながらスマホをしない
- 1.7 7.ネットのマナーを守る
- 1.8 8.夜は、ルールで決めた時間以降は使わない
- 1.9 9.無断で有料アプリやゲーム課金しない
- 1.10 10.個人情報をネットに書かない
- 1.11 11.写真やプリクラを無断でネットに公開しない
- 1.12 12.親の管理のもとで使えることを宣言しておく
- 1.13 13.子供が自分で提示した「条件」もルールへ
- 1.14 14.ルールが守れなかったときの対応も、ルールに加える
- 2 ルールは定期的に見直しを!
- 3 まとめ
スマホのルール【決め方のポイントと具体例】
1.1日の利用時間を決める
スマホを1日に1時間以上使用すると、記憶力、判断力、集中力、注意力などを司る脳の働きが鈍くなり、成績が低下する事実をご存知ですか?
これは、東北大学と仙台市が立ち上げたプロジェクトによる研究結果です。
必要な連絡のための使用を除き、遊ぶためのスマホの利用時間は1時間以内に制限できると安心ですね。
時間のルールを決めるときは、その時間に制限する理由をしっかり伝えて納得させることが大事です。
【ルールの具体例】
- スマホの使用は1日1時間以内
- 1時間を過ぎて使用できるのは着信があったときや必要な連絡のみ
- 時間がかかる調べ物の宿題が出たときは親に伝えて使用すること など
2.使わない日を作る
大人でも、スマホを「使っている」つもりで「使われていた」なんてことがあるくらい無意識に手にしてしまうツールですから、時にはノースマホデーを作って、スマホにとらわれない生活を見直してみるのもおすすめです。
これはぜひ親子で一緒に実践してみてください。
無意識に使うことが習慣化していた人は、脳と目を休めることで頭がスッキリしたり、時間を無駄に使うことがなくなったり、さまざまなメリットを感じることができるでしょう。
あくまで道具であることを認識して、現実の人付き合いや物事の捉え方・感じ方を見直すきっかけにもなります。
決めるときは、親の都合で一方的に曜日を決めるなど、子供が約束を守れないような提案はNGです。必ず親子で話し合って決めることが大切です。
【ルールの具体例】
- 毎週水曜日と、第3日曜日はノースマホデーとする
- 大事な電話がかかることが事前にわかっているときは着信のみOKとする など
3.フィルタリング、機能制限は親が設定する
問題が起きる前に対処できると親も子供も安心ですよね。子供にすべての責任を押し付けることがないよう、まずは親がスマホの設定を理解して管理できる知識を持つことが大切です。
【ルールの具体例】
- 設定を勝手に変えない
- 設定・解除に必要なパスワードは教えない
- 〇歳になったら自分で管理してOK など
4.自分の部屋に持ち込まない
スマホに振り回されないよう、やらなければならないことを優先できる環境を作りましょう。
手元にあれば気になりますし、布団の近くにあれば寝る前に布団をかぶって使いたくなるかもしれません。
子供自身が正しく管理できる年頃になるまでは、家族が集まるリビングで使うなどのルールを作ると安心です。
ただし、高校生にもなると、宿題の調べ物で使うことや、学校指定の学習アプリを使うことも増えてくるため、いつまでも「部屋への持ち込み禁止!」となると困る状況も出てきます。
親の都合で一方的に押し付けるルールは子供の自立の妨げになることもあるため、成長に合わせて子供に管理をまかせ、見守ることも大事です。
【ルールの具体例】
- 家にいる時のスマホの使用と充電はリビングでする など
5.食事中は触らない
大人でもよく見かけますが、食事中にスマホを触っている人を見て良い気分になる人はいませんよね。
一緒に食事をする相手に配慮し、着信待ちの用事があるとき以外はスマホを出さない習慣を身に付けさせておきたいものです。
【ルールの具体例】
- 食事中はスマホを触らない
- 食事中はテーブルの上にスマホを置かない
- 電話待ちの用事があるときは、前もって一緒に食事する相手に断りを入れておく など
6.使用上のマナーを守る、ながらスマホをしない
社会に出たら「知らなかった」では済まされないことはたくさんあります。
大人になって困らないように、使用上のマナーを守ることを約束させましょう。
特に、危険な使い方については、やってはいけない理由をも伝えてしっかり指導する必要があります。
「ながらスマホ」は思わぬ事故を起こしやすく、周りにも被害をもたらしてしまうので、事故の危険性や命の大切さを子供にわかりやすく説明してあげる事はとても大切です。
【ルールの具体例】
- 歩きスマホ、自転車スマホはしない
- 病院では電源を切る(各医療機関のルールに従って使用する)
- 図書館、映画館などの公共施設では、電源を切るかマナーモードにする
- 飛行機内では、電源を切るか機内モードにする
- 電車やバスの優先席付近では電源を切る。その他の席ではマナーモードにする
- 周囲の人に配慮して、通話音量や使用場所を考える
- 外出先での店内撮影はお店の人の許可を取る
- 外出先での撮影は、周囲の人が写り込まないよう他人のプライバシーに配慮する
- 銭湯や屋内プールに持ち込まない
- 早朝や夜中など、迷惑な時間のやり取りの要求をしない など
7.ネットのマナーを守る
自分がされて嫌なことは、相手にもしない。
現実の世界では当たり前のことですよね。
しかし、現実の世界で言えないことを、インターネットでは平気で書ける人がいます。
インターネットの向こう側にいるのも自分と同じ感情を持った人間なんだということを伝え、文字だけのコミュニケーションは相手に誤解を与える恐れがあることを理解させましょう。
【ルールの具体例】
- 誤解を与える書き方になっていないか、相手を傷つける書き方になっていないか、送信前に相手の気持ちを考えて読み返す
- Webサイトの利用規約を必ず読む
- 問い合わせをして返事をもらったらお礼を伝える など
8.夜は、ルールで決めた時間以降は使わない
寝る前のスマホ使用は、睡眠障害の危険性や視力低下など、身体に悪影響を及ぼすことがあります。
理想としては就寝2~3時間前には使用をやめたいところですが、年齢が上がるほど難しい場合も出てくるでしょう。
できれば就寝1時間前にはやめられるよう習慣付けたいところです。
【ルールの具体例】
- 夜〇時以降はスマホを使わない
- 決めた時間以降は一定の場所に保管する
- ベッドにスマホを持ち込まない など
9.無断で有料アプリやゲーム課金しない
お金を使った感覚がないのに物が買えてしまうのがネットの世界。
親が知らないところで買い物をして、親宛に高額な請求書が届く事例もあるほどです。
買ったつもりはなかったけれど、知らず知らずのうちに課金されていた、というケースもあるため注意が必要です。
【ルールの具体例】
- 勝手にクレジットカードの番号を入力しない
- 勝手にアプリのダウンロードをしない
- 有料サイトの登録やアプリのダウンロードは親の許可を得る など
10.個人情報をネットに書かない
SNSやブログなどで、自分や友達の個人情報を書かないことを約束させましょう。
悪意ある第三者によって個人情報を利用され、犯罪やトラブルに巻き込まれたり、個人を特定されてストーカー被害にあったり、そういった被害から子供を守るためのルールを決めておくと安心です。
また、ネットでは、会員サイトなどに登録する際に個人情報の入力を求められることがあります。
なりすましによる個人情報の漏えい被害にあわないよう、ネットの情報やWebサイトを信じすぎないよう注意を促すことも必要です。
- 本物そっくりに作られた偽サイトで個人情報を入力して、クレジットカードやアカウント情報などの個人情報を盗まれた(フィッシング詐欺)
- SNSで知り合った「友だち」に住所やメールアドレスなどの個人情報を教え、個人情報を転売された
- おいしい話に騙されて個人情報を入力してしまった(「当選しました!連絡先を教えてください」「あなたに差し上げることに決めました!住所と名前を教えて!」など)
【ルールの具体例】
- SNSやブログで、自分や友達の個人情報を書かない
- ネット上で個人情報を求められたら必ず親に相談する
- 自分の誕生日や電話番号をパスワードに設定しない
- SNSで知り合った友達を最初から信用しすぎない など
11.写真やプリクラを無断でネットに公開しない
「10.個人情報をネットに書かない」とあわせて話し合いたいルールです。
一度インターネットで公開した画像は、一生残る可能性があることを教えましょう。
- 友だちと悪ふざけで撮った写真は、汚点として一生残る危険性があります。
- 公開した画像が、悪意ある第三者に利用される危険性があります。
- 場所や個人情報を特定されて、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。
自分以外の人物が写った写真は尚更ですよね。
友達が載せて良いと言っても、友達の親の方針はNGかもしれません。
未成年の子供ですから、監督義務を負う「友達の親」に許可をとっていない画像や映像は、たとえ友達が良いと言っても勝手に公開しないよう話をすると良いでしょう。
【ルールの具体例】
- ネットで顔写真を公開しない
- 自分以外の第三者が写った写真を、相手の許可なく無断でネットに公開しない
- 誰でも閲覧可能にせず、非公開、もしくは制限をかける
- 外出先で撮影するときは、他人が写り込まないように配慮する など
12.親の管理のもとで使えることを宣言しておく
スマホを使う人は子供でも、その料金を支払っているのは親ですよね。
自分専用のスマホだからと言って、自由に使えるわけではない(ルールやマナーを守って使う必要がある)ことを伝えておきましょう。
ご家庭によっては、親がスマホをチェックできるルールを作っていることもありますが、黙ってコッソリ見るのはたとえ親子でも信頼を失う行為です。
子供のプライバシーにも配慮しながら、チェックするときの条件を伝えておくと良いですね。
【ルールの具体例】
- 生活が乱れたとき、話し合っても改善されないときはスマホの使い方をチェックする
- 親に見られて困る使い方をしない など
13.子供が自分で提示した「条件」もルールへ
子供がスマホを持ちたいと言い始めたとき、条件を示してくる子供もいます。
「ちゃんとお手伝いするから!」
「1日〇時間勉強するから!」
子供が自分から言い出した条件は、きっちりルールに加えておくと良いですね。
ただし、親の一方的な押し付けにならないように注意しましょう。
14.ルールが守れなかったときの対応も、ルールに加える
ルールが守れなかったときの対応は、はじめにしっかり話し合っておく必要があります。
ルールや、ルールを破ったときの対応を決めておかなかった家庭では、スマホの使い方を叱ると「そんなこと聞いてない!」と、逆切れして怒る子供がいるためです。
全てが思い通りになるわけではないということを話し合ってルールに加えましょう。
【ルールの具体例】
- ルールが守れていないと指摘されたら、きちんと話し合う
- 話合いから逃げたり、同じ指摘が〇回続いたりしたときは、〇日間使用を禁止する
- さらにルールを破り続けたときは契約を解除する など
ルールは定期的に見直しを!
守られるルールを作るためには、一度決めたルールを子供の成長とともに見直すことが大切です。
子供はいつしか自分の判断で行動できるようになります。
親子で決めるルールがその妨げになるものであっては困りますよね。
子供のプライバシーを尊重しつつスマホの悪影響から守るためには、「管理するルール」から「見守るルール」へ少しずつシフトできるよう、日頃から親子のコミュニケーションを大切にして、安心して何でも話せる信頼関係を築くことが重要です。
まとめ
いかがでしたか?
ルールは、親が一方的に押し付けるものであってはいけません。
子供の生活スタイルに合わせて、親子で話し合って決めることがルール作りのコツです。
そして、一度決めたルールは子供の成長とともに見直すことも大切なポイントです。