PMS(月経前症候群)を緩和する食べ物は?6種類の栄養素を意識しよう!

女性の体は、28日前後の周期でホルモンバランスが変化しています。
生理前の期間は、風邪をひいたわけでもないのに、体の調子が今ひとつといったことも多いでしょう。中には、普段通りの日常生活を送れず、仕事や学業に支障が出てしまう人もいます。
そういったPMSの症状を緩和するために、食生活の改善が有効であることをご存知ですか?
食べ物に含まれる特定の栄養素を意識して摂取することで、PMSを緩和させることができるのです。
この記事では、PMSの原因に触れた後、PMSに効果的な栄養成分、具体的な食べ物や食べ方についてご紹介します。
▼目次
PMSとは?
PMS(正式名称:Premenstrual Syndrome)とは、日本語に訳すと「月経前症候群」と呼ばれる症状で、生理前2週間くらいの間に起こるさまざまな心と身体の不調のことを言います。
主な症状
身体的な不調 | 眠気、むくみ、体のだるさ、腹痛、下腹部の張り、便秘、下痢、乳房の張り・痛み、頭痛、頭重、腰痛、吐き気、めまい、体重増加、貧血、肌荒れ、食欲増進・減退、肩こり、首こり、など |
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精神的な不調 | イライラ、集中力の欠如、無気力、怒りっぽい、憂鬱、ボーッとする、不安感、涙もろくなる、やつあたりする、攻撃的になる、など |
これらの症状は、重くなると日常生活に支障をきたすこともあります。
PMSが引き起こされる原因となるものは?
PMSが引き起こされる原因は、実ははっきりとは解明されていません。
しかし「約28日周期で変化するホルモンバランスの変化」に体が適応できない場合に引き起こされるのではないかと考えられています。
月経周期が28日だとした場合、ちょうど次の月経が始まる14日前に「排卵」が起こります。
排卵を境に、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の量が変動して、基礎体温にも変化が見られます。
女性らしさを作り、妊娠を助けるとも言われる2つの女性ホルモンが、副作用のように体の不調を訴えてしまうのです。
そういった体の不調を軽減するために、食生活の改善はとても重要なポイントです。
PMSを軽減すると言われる嬉しい栄養素6つ!
1.鉄分
ダイエットのために野菜中心のヘルシーな食生活を心がけている女性も多いですよね。
野菜から摂れる鉄分と言えば、ほうれん草やひじき、切り干し大根などが有名ですが、肉や魚といった動物性由来の鉄分は吸収率が高いため、一緒に摂ることで効率よく摂取できる性質があります。
これを踏まえると、レバニラ炒め、魚介入りの味噌汁やスープは、鉄分を効率よく摂れるうえ、ダイエットしたい女性にもおすすめの食べ方です♪
2.ビタミンB6
ビタミンB6とは、たんぱく質・アミノ酸・脂質などの代謝に関わり、エネルギーを作り出したり合成したりする、水溶性ビタミンのことを指します。
水溶性のため、摂り過ぎた場合は尿として排出されるのですが、不足するとPMSが重症化することもあります。
ビタミンB6は、PMSの中でも「免疫力の向上」「意欲の向上」といった精神面を安定させる要素が強く、他にも皮膚症状の緩和や血液の流れを良くする働きがあります。
肉類は部位に関わらず豊富にビタミンB6を含む傾向にあり、中でも牛レバーは断トツです。
血抜きや臭み取りの下処理をして、煮物や野菜炒めに加えて調理すると良いでしょう♪
3.カルシウム
カルシウムと言えば、骨を強くするという印象が強いかもしれません。
しかしその他に、体の機能を調節して心を安定させる働きも兼ね備えているのです。
カルシウムが不足すると、足がつりやすい、疲れや頭痛などを感じる、気持ちが安定しないなど、さまざまな症状が現れます。こういった症状とPMSが似ていることから、カルシウムを意識して摂ることが大切だと言えるわけです。
カルシウムは、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に多く含まれているイメージがありますが、それ以上に、魚の骨、殻ごと食べる海老(桜海老など)、葉物などにも多く含まれています。
魚の骨は圧力鍋を使ってじっくり煮込むことで、柔らかくして丸ごと食べられます。
大根葉・小松菜・京菜・かぶの葉などの緑物と合わせて食べると彩りも良くなりますね♪
4.ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、血液中のカルシウム濃度を調節する働きがあります。
そのため、単独ではなくカルシウムと合わせて意識して摂取する必要があるのです。
太陽の光を浴びることで体内で合成できるため、「太陽のビタミン」とも呼ばれています。
しかし、ビタミンDは摂り過ぎに注意しなければなりません。
ビタミンDを過剰摂取すると、高カルシウム血症、腎不全、尿毒症、高血圧、嘔吐、喉の渇き、食欲不振、昏睡などの過剰症を引き起こす恐れがあるからです。
食べ物からの摂取では通常問題ありませんが、サプリメントやビタミン剤を飲む時には過剰摂取にご注意くださいね。
普段、魚を食べる機会が少ない人は、意識して摂取すると良いでしょう。
5.マグネシウム
カルシウムと並んで重要視される「マグネシウム」は、ビタミンB6と同じく精神面を安定させる効果が期待されています。
他にも、便秘やむくみ・頭痛や片頭痛といったPMSにありがちな症状を抑える働きがあります。
体内のマグネシウムが不足すると、精神面が不安定になるばかりか、筋肉が痙攣(けいれん)したり、一度記憶したことをしっかり覚えていられなかったりすることがあるため、普段から意識して摂取したい栄養素です。
「カルシウム:マグネシウム」は「2:1」の割合で摂取しましょう。
日本人の朝食の定番「味噌汁」はピッタリの摂取方法だと言えそうです。納豆や大豆製品をサラダに添えたり、貝類を意識して食べたりするのも良いですね。
6.食物繊維
食物繊維はお通じを良くするイメージが強いですが、血糖値の上昇を穏やかにするという点で、PMS対策に向いていると言えます。
PMSの症状がある女性は、じつは反応性低血糖症を患っている場合が多いのです。
反応性低血糖症は、単に血糖値が低い状態を指す病気ではありません。
食生活が乱れ、糖質やGI値が高い食品を摂りすぎることによって、血糖のコントロールが正常にできなくなる病気です。
人は食後30分後くらいから、食べ物を摂取したことによる血糖値の上昇が、カーブを描くように緩やかに起こります。
しかし、反応性低血糖症の人が乱れたままの食生活を続けていると、食後の血糖値は急激に上昇します。このとき、急激に高くなった血糖値を下げようとしてインスリンが大量に分泌され、血糖値が正常値以下まで急激に低下してしまうのです。
低血糖症の主な症状は、PMSの症状と非常によく似ています。
症状が進行したまま放置すると、意識障害や昏睡状態に陥る恐れもあるため、血糖値の急激な上昇を抑えることが必要です。
食物繊維は2種類あります
食物繊維は、水溶性食物繊維と脂溶性食物繊維の2種類に分けられ、それぞれ以下の食品が当てはまります。
水溶性食物繊維は、水分を保持して蠕動(ぜんどう)運動を活発にするため、便秘の方には有効です。しかし、お腹をくだしてしまう人にとっては症状を悪化させることもあるため、食べ過ぎに注意する必要があるでしょう。
GI値が高い食物繊維に注意しましょう
GI値とは、血糖値が上昇するスピードを表す数値です。
ブドウ糖の上昇率を100としたとき、数値が低いほど血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの過剰分泌を抑えられます。
食物繊維の中にもGI値が高い食品がありますので、血糖値の急上昇を抑えるためにGI値が高い食物繊維を大量に食べ過ぎないよう注意しましょう。
にんじん(80)、とうもろこし(70)、かぼちゃ(65)
症状が酷い場合は医療機関へ相談を!
食べ物の改善によって症状が緩和しない中程度から重度のPMSのことをPMDD(月経前不快気分障害)と呼び、日本人女性の5%前後が悩まされていると言われています。
症状がひどい場合は我慢せず、心療内科や婦人科を受診するようにしてください。
食生活の見直しとあわせて薬物療法、サプリメント療法、ホルモン療法などの治療を受けることで、症状の緩和が期待できます。
まとめ
いかがでしたか?
PMSは男性には分からない辛さであるため、日常生活に支障が出ても説明にしにくく、困ってしまいますよね。
しかし、食べ物から摂れる栄養素によってPMSの症状を緩和させることができるのです。
特に摂りたい栄養素は6つでしたね。
- 鉄分
- ビタミンB6
- カルシウム
- ビタミンD
- マグネシウム
- 食物繊維
食生活が乱れている人は特に、意識して取り入れてみてください。
栄養が偏らないよう、他の栄養素もバランスよく摂取することを忘れないでくださいね。