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学習障害とは?子供の症状・特徴に適したおすすめの勉強方法

 2017/04/05 子育て・教育
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子供の勉強が上手くすすまないとき、「何か障害があるのだろうか」と考えてしまう人は多いかもしれません。何か障害があるのなら適切な支援をしてあげたい、という親心ですよね。

「子供が学習障害の診断を受けた。どうしよう・・・」
「子供が学習障害かもしれない。どうすれば・・・?」

今、もしあなたがそんな悩みを抱え、お子さんにとって辛く生きづらい現状があるのだとしたら、そこから少しでも抜け出すために、学習障害の特徴をまずは理解し、症状に合ったサポートを考えていく必要があるでしょう。

この記事では、学習障害の定義と症状、障害の特徴に適したオススメの接し方や勉強の仕方をご紹介します。

学習障害の定義は?知的障害とのボーダーラインはどこ?

学習障害とは、発達障害の一種で、知的障害はないけれど「聞く」「書く」「話す」「読む」「計算する」「推論する」・・・といった能力の中で、その一部に問題がみられる障害です。

英単語では「Learning Disorders」や「Learning Disabilities」のことを指し、頭文字を取って「LD」と呼ばれています。

<学習障害の定義>

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。文部科学省HP

学習障害と聞くと、勉強が何から何までできないのか?と想像してしまいがちですがそうではありません。

計算はできるのに書くのは苦手、人が話すことは理解できるのに自分では上手く説明できない、のように特定の分野において困難を伴う障害です。

この「一部の分野が極端に苦手」というのは、さまざまな場面で弊害を引き起こします。

例えば、上手く集団に馴染めなかったり、運動するのが難しかったり、集中できなかったり、といった問題に直面することがあるのです。

学習障害に知的な遅れはありません。知能指数(IQ) によって判別され、知能指数が70以上の状態を学習障害、知能指数が70に満たない状態を知的障害として区別しています。

学習障害と発達障害との違いは?

学習障害は発達障害の一種です。発達障害は大きく分けて、広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の3つに分けられます。

広汎性発達障害はさらに細かく分類され、自閉症やアスペルガー症候群がこれに当たります。注意欠陥・多動性障害は、不注意、多動性、衝動性の3つの特徴があり、集中力がない、じっとしていられない、順番を待つことができないといった症状がみられる障害です。

すなわち、学習障害は発達障害の一種で、発達障害の中にはさまざまな種類があるということなのです。

学習障害の症状

学習障害で見られる症状は子供によってさまざま。
ここでは、それぞれの症状の特徴についてみていきましょう。

算数障害

別名、ディスカリキュリアと呼ばれます。
数字や数学的概念に関する障害なので、就学するまで気づかないというケースも多いです。

具体的には、加減の繰り上がり・繰り下がりが分からない、数の大小が判断できない、アナログ時計が読めない…などがあります。学齢期の子供の1%に見られ、遺伝因子に関係があるといわれています。

書字表出障害

別名、ディスグラフィアと呼ばれます。
文章を読んで内容を理解することはできますが、それを実際に文字にすることを苦手とします。

具体的には、漢字を見て覚えたのに書けない、漢字のへんとつくりを逆に書いてしまう、英語や国語の文法を正しい順番に書けない…などがあります。学齢期の子供の5%弱に見られ、男子の発症率が高いといわれています。

読字障害

別名、ディスレクシアと呼ばれます。
書いてある単語や文章を正しく読むことができないため、文字に表した時に正しく書けないということが同時に起こりえます。

例えば、「かお」を「あお」と読み間違えたとします。それを文字に表した際には違うものになる訳なので、文字表出にも影響が出てしまうのです。学齢期の子供の5%弱に見られ、親子では40%程度遺伝すると考えられています。

子供が学習障害かもしれない!どうすればいい?

「学習障害の症状に当てはまる気がする…」
そう思った瞬間から、親としてはどのように接したら良いのかと焦りや不安を覚えますよね。

しかし子供の成長には個人差があり、教科によって得意・不得意があるだけの場合も十分考えられます。そのため、親の判断だけではなく医療機関やその他の専門機関に相談することが大切です。

発達障害専門外来や精神科を受診するか、市町村保健センター、発達障害者支援センター、子育て支援センター、児童相談所などの相談窓口を利用すると良いでしょう。

支援センターでの相談形態は、来所相談、電話相談の他、FAXやメールでの相談を受け付けているところもあります。

医療機関では、脳の画像診断などを行う他、就学前の言動と現在の言動を細かくチェックしていきます。
そして、心理検査・知能検査なども併せて行ない、それらのさまざまな所見から専門医が診断します。

子供の前では話しにくい内容があるときは、子供抜きで話したい用件があることを電話や受付であらかじめ伝えておくと配慮してもらうこともできます。

診断を受けるメリットは、周囲の適切なサポートが受けられるようになるということです。

例えば、学校生活の中で子供が抱える困難に対して、診断がないうちは「特別扱いはできない」と言われていたことが、診断がおりたことで適切なサポートとして対応してもらえるケースが実際にあります。

これは、発達障害の二次障害(うつ病などの心の病気)を予防するためにも必要なことと言えるでしょう。

学習障害の子供の勉強、どう教える?

我が子が少しでも楽しく生活できるよう、また、持っている能力を生かせるように、学習障害を持つ子供とのより良い接し方とおすすめの勉強方法をご紹介します。

算数障害の場合

問題を数多くこなすよりも、1つの問題に時間をかけて取り組むことをおすすめします。同じ問題を繰り返し問いて、流れを掴んでいくことが大切です。

また、ブロック・おはじきなどを使用し、ブロック2個+ブロック3個…と実際にブロックを移動させて、足し算を考えるのも効果的です。数字ではなく、イラストで理解する方法です。

方向が理解できない場合は、例えば「鉛筆を持つ手が右」(右利きの場合)のように、方向ではなく具体例で話してあげるのも良いですね。

子供は「算数は難しい」と感じているため、できたことはその場その場で必ず褒めてあげると、やる気をもって取り組めるでしょう。

書字表出障害の場合

子供が楽しく勉強できるように、パズルなどを作成して勉強するのが効果的です。

例えば漢字の「へん」と「つくり」を書いたパズルを用意し、正しく組み合わせて文字を作るというものです。文法の勉強でも、それぞれの品詞のパズルを並び替えて、正しい文章にするのも良いでしょう。

他にも語呂合わせで聞いた内容を覚えて文字に表す、という方法もあります。板書を写すのが困難の場合は、カメラで撮影したものを視覚で理解する・・・といった方法が効果的です。

読字障害の場合

読字障害の子供は声に出して読むこと が苦手なので、基本的に聴覚を利用して学習する方法をおすすめします。覚えたいことをテープに録音しておいて、繰り返し聞いて暗記するのが効果的です。

小さい文字を読みにくいと感じている子供に対しては、紙を拡大コピーするなどして読みやすくなる工夫をすると良いでしょう。

また、文章を読む際に、白い背景の文字が読みにくいと感じる子供もいます。そんな子には、赤や青の色付きの透明シートをかぶせて背景に色を付けると読みやすくなる場合があります。

息継ぎする位置に区切り線を引いて、読みやすくするのもおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?

障害の症状や特徴を理解することで、子供が勉強しやすい環境を作りやすくなります。

もちろん、簡単にはいかないかもしれません。時間がかかるかもしれません。
思い通りにいかなくて、親子で苦しむこともあるでしょう。

けれど、ゆっくりと一つひとつ、できないことはなぜできないのか、どうすればできるようになるのかを考えて、子供が興味をもつ方法を見つけながら楽しんで勉強できる環境を作ってあげたいですものですね。

そのためにも、子供の障害を正しく理解し、周囲のサポートを遠慮なく受けることが大切です。

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