「個人賠償責任保険」って知ってる?子供が起こしやすい事故・トラブルに備える保険

子供がいると、急なケガ・事故・病気などの心配事が増えますよね。
特に元気いっぱいの子供たちは、親でも予想のつかない動きをします。
また、成長とともに行動範囲が広くなり、親の目が届きにくくなっていきます。
子供が他人に怪我をさせたり、他人の物を壊してしまったり。
もしかするとあなたも、一度はヒヤリとした経験があるかもしれませんね。
このようなケースで問題となるのが、金銭的補償でしょう。
数千円~数万円で済むことであれば、貯金から支払うことも可能です。
しかし、トラブルの種類によっては、数百万円~数千万円の補償が必要となり、頭を抱えてしまうご家庭もあるのです。
そこで今回は、子供が起こしやすい事故・トラブルに備えるためにぜひ知っておいてほしい、保険料が安いのに頼れる「個人賠償責任保険」についてご紹介します。
▼目次
個人賠償責任保険とは?
個人賠償責任保険とは、日常生活において、契約者または契約者の家族が意図せず他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりしたときに発生する弁償代や治療費に備える保険です。
大人と比べて危険予想能力が低い子供の行動は突発的で、子供が商品を割ってしまったり、自転車運転中に相手に怪我をさせてしまったり、ということは珍しくありません。
そのため、子供がいるご家庭では特に人気がある保険です。
大人だって、ちょっとしたミスや不注意で他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりすることはありますよね。
洗濯機の排水ホースが外れてしまって階下を水浸しにし、補償が必要となることもあるでしょう。
ペットとして犬を飼っている場合、犬が何かの拍子に他人を噛んでしまうこともあるかもしれません。
相手に支払う治療費や弁償費用が高額になれば、貯金を切り崩したり、最悪借金をしたりして支払う必要があり、生活基盤を脅かします。
そんな予期しない出来事について、金銭面での安心感を家族全員に与えてくれるのが個人賠償責任保険です。
個人賠償責任保険の特徴
「個人賠償責任保険」は、「個人賠償責任特約」や「日常生活賠償特約」など保険会社によって名称が異なる場合がありますが、保険会社各社が特約として提供している保険です。
保険料や運用については会社ごとに少しずつ異なりますが、基本的な特徴は以下の2つで共通しています。
保険料が安い
保険料は保険会社によって異なりますが、例えば、補償額最高1億円という個人賠償責任保険でも、保険料はひと月あたり150円前後~数千円程度。
対象となる事例、対象とする人の範囲も広く、とても使い勝手が良い保険です。
自転車に乗っていて、相手に怪我をさせてしまった時にも適用されます。
自転車事故は、厳罰化の流れが加速しています。
万が一、子供やパパママが自転車運転中に加害者になった場合、高額な賠償金が発生します。
過去に、11歳の男の子が自転車で67歳の女性に衝突し、転倒させた事故がありました。
被害女性は頭を強打し意識が戻らず、裁判所は少年の母親に9,500万円の賠償責任を命じました。
このように自転車事故で加害者に高額な賠償責任が生じることは珍しくありません。
万が一、個人賠償責任保険や自転車保険に加入していない場合、相手への補償もままならず、自己破産をしてしまう人も多いです。
個人賠償責任保険は少額の保険料で、いざという時には大きな補償があります。
保険料が安いだけでなく、コスパの高い保険といえるでしょう。
一つの契約で家族全員を保障できる
普通の医療保険やがん保険は、パパ個人、ママ個人、子供個人と各々に保険をかける必要があります。それに対して個人賠償責任保険は、家族の中のだれか1人が加入することで、家族全員が同じ補償を受けることができます。
この場合の「家族」とは、一般的に以下のことをいいます。
個人賠償責任特保険の対象となる範囲は次のとおりです。
- 被保険者(本人)
- 被保険者(本人)の配偶者
- 被保険者(本人)または生計を共にする配偶者の同居の親族
- 被保険者(本人)または生計を共にする配偶者の別居の未婚の子
例えばパパが契約者として加入しておけば、ママも子供達も、同居しているおばあちゃんも補償の対象です。また大学に通うため1人暮らしをしている子供も、仕送りなどを受けていれば補償の対象となります。
別居している既婚の子、別居しているその他の親族は対象外になります。
保険会社によっては「生計を共にする」という文言がなく、補償の対象範囲が広いものもあります。
重複加入に注意
個人賠償責任保険は、重複して複数の保険に加入しても、保険金が2倍3倍になるわけではありません。
支払われる保険金は実損分のみです。
複数の個人賠償責任保険に加入している場合、支払う保険料が勿体ないですね。
ご家庭の保険を全て見直し、重複していないかを確認しましょう。
保険加入時に特約としてプラスしたり、クレジットカードに付帯したりしていることもあります。
保険料が少額な特約のため、加入している意識が薄れがちですが、重複している場合は、最高補償額、示談サービスの有無、特約にかかる保険料を比較して、不要なものは解約するとよいでしょう。
新しく個人賠償責任保険に加入する人は、すでに特約を付帯している保険がないか確認しましょう。
個人賠償責任保険の加入方法
個人賠償責任保険は単独で加入することができません。
クレジットカードに付帯するか、自動車保険、火災保険、傷害保険、各種共済や、学校(PTA)を通じて加入するこども総合保険、会社等で加入する団体保険などに、特約として付帯するのが一般的です。
なお、自分が意識していなくても自動で付帯している場合もあります。
メインの保険を解約することで、個人賠償責任保険特約も気付かないまま解約してしまうケースもあるので、保険の見直しの際には気をつけてくださいね。
こんなときに役立つ!事故・トラブルの事例
以下のようなケースが個人賠償責任保険の対象です。
- 自転車で走行中、他人にケガをさせた
- 子供が自転車で走行中、停車していた車にぶつかり車を破損した
- 飼い犬が他人を噛みケガをさせた
- 子供が友達の家の窓ガラスを割ってしまった
- 子供が店内で商品を倒し、商品を壊した
- 子供が駐車場に停めてある車にボールをあて、傷をつけた
- 子供が友達にケガを負わせてしまった
- 蛇口の締め忘れや洗濯ホースの劣化によって、マンションの下階が水漏れした
これらはほんの一例で、対象となる事故は幅広いです。
個人賠償責任保険の対象とならないケース
以下のようなケースは個人賠償責任保険の対象とならず、保険金は支給されません。
- 友人から借りていた玩具を壊した
- 飲食店でパートをしているママの不注意でお客様の洋服を汚した
このように、職務執行中の事故は個人賠償責任保険の対象外です。
- 夫が妻の持ち物を壊した
同居の親族のものを壊した場合は対象外となります。
- 自動車事故で相手にケガをさせた
- ドアを開ける時に、隣の車にあてて傷をつけた
この場合は自動車保険で対応することになり、個人賠償責任保険の対象外です。
- 故意に他人にケガをさせたり、物を壊したりした
故意によるものは、当然対象外となります。
保険金の限度額はいくらに設定するべき?
過去の補償額などをみると、自転車事故のケースでは高額補償が必要となります。
補償額は1億円~を目安に設定したいですね。
保険会社によっては、上限額が国内無制限、海外1億円というものもあり、おすすめです。
示談交渉サービスの有無もチェック!
個人賠償責任保険を見直すときは、示談交渉サービスの有無も確認しましょう。
いざ保険が役立つケースになったとき、自分が当事者として被害者と直接交渉し、解決に向けて動くことは精神的にも負担が大きいものです。
示談交渉サービスがついている個人賠償責任保険では、担当者が代わりに被害者と交渉をしてくれます。
金銭面だけでなく、精神的にもありがたいサービスですね。
まとめ
いかがでしたか?
事故やトラブルは可能な限り避けたいものですが、完全に避けるというのは難しいときもあります。
個人賠償責任保険に加入しておけば、経済的ダメージは最小限におさえられます。
家族のお守りとして一家にひとつ、加入したいですね。