子供のやる気を引き出すために親が今すぐできる事!

学校から帰ってきても、ダラダラしてテレビを見て、自分から宿題を始めることもなく、習い事や塾だって行かされている感たっぷり。
言うことを聞かない。思い通りにならない。
そんな様子を見ているとイライラはMAXになり、親はついつい口を酸っぱくしてあれこれ言いたくなってしまいますよね。
けれども、毎日のそういった親の言葉や態度が子供のやる気をダウンさせる悪循環を作り出していることをご存知でしたか?
「うちの子は言わなければやらない、わからない」
の原因を作っているのは、実は親である私達自身なのです。
親の意識が変われば子供も少しずつ変わっていきます。
もちろん、今日1日親の態度が変わったからといって、明日から子供のやる気がアップするわけではありませんが、毎日の積み重ねが子供のやる気に与える影響は大きいです。
そこで今回は、子供のやる気を奪う親の習慣と、子供のやる気を引き出すために親が今すぐできることをご紹介したいと思います。
親が子供のやる気を奪っている?!やる気をなくす原因8つ
1.子供のできないところ、悪いところを見る習慣
つい口を出してしまう親は、子供の将来を案じて、子供が困らないためにと思っているはずです。
でも、そこに過度な期待はありませんか?
人は期待が大きければ大きいほど、それにちっとも応えようとしない相手に失望し、悪いところばかりが目につくようになってしまうものです。
子供は、親が正しいと思うやり方を一方的に押し付けていると、自分で考え、自分で判断し、物事に柔軟に対応する能力が育ちません。
時間を気にせず好きなだけ遊んでいても、そろそろやらなきゃマズイと思えば親が口を出してくれるのですから、自分で考える必要がなくなるんです。
言われたらイラっとしてやる気が失せることはわかっているのに、自分で考えなくてすむものだから、無意識に考えることをやめてしまうんですね。
そうすると、親はますます干渉するし、子供は些細なことでも口出しばかりされることに嫌気が指してやる気をなくすし、悪循環におちいってしまうというわけです。
子供のやる気を育てるには、まずは子供の良いところ・できているところに目を向けて、共感し、認めてあげることが大切です。
2.完璧な親であろうとする
完璧な親であろうとすると、無意識のうちに子供にも完璧を求めて追い詰めて、やる気を奪ってしまうことがあります。
「なんでこんなこともできないの?」
「次はもっと頑張れるよね」
「こうでなければ」
「こうあってほしい」
こんなことを子供に言っているなら要注意。
完璧であろうとする親の価値観で子供と接していると、子供は失敗を恐れて萎縮し、行動を起こせない人になってしまいます。
完璧な親であることよりも、素直で誠実な姿を見せることの方がずっと大切です。
3.友達や兄弟姉妹と比較する
同年代の友達や兄弟姉妹との比較は、子供のやる気を奪う主な原因のひとつです。
比較して否定するのはもちろんダメですが、比較して褒めることもやってはいけない褒め方です。
自分が誰かと比較して褒められたとき、同時にいつも誰かがけなされることになりますよね。
そんなことを繰り返していると、子供は自らを他人と比較するようになり、自分の言動そのものを認めることができなくなってしまいます。
自分より優れた人やモノなんて、数えればキリがないほど世の中にはたくさんあります。
他者と比べて悲観したり、意欲ややる気をなくして投げやりになったりさせないためにも、周りと比べて優越をつけるのではなく、比べる対象は過去の子供自身であるべきなのです。
4.結果を褒める
「褒めて伸ばす」とはよく言いますが、褒め方を間違えると子供のやる気を奪う原因となってしまいます。
とくにやりがちなのが「結果だけを褒める」ということ。
結果だけを褒めて育った子供は、良い評価を得るために得意なことばかりやるようになり、新しいことにチャレンジしようとする意欲が育ちません。
子供を褒めるときは、努力や過程を褒めるようにしましょう。
「あなたの頑張りをちゃんと見ているよ」
ということをしっかり伝えられると、失敗を恐れず努力できる子供になります。
とはいえ、何でもかんでも褒めれば良いわけでもありません。
たとえ努力や経過を褒めていても、度が過ぎると子供は楽を覚えます。
「そんなに努力したつもりはないけど褒められた。」
「結果が伴わなくても努力したフリさえしていれば褒めてもらえる。」
なんてことになっては困りますよね。
事実だけを褒める。
具体的に褒める。
ということも意識して、さりげなく褒めてあげましょう。
5.「はやく!はやく!」が口癖
子供には子供のリズムがあり、大人のそれとは違っています。
大人のペースで「はやく!はやく!」と急かしていると、子供は自信を失い、やる気をなくし、ますます行動が遅い子供になってしまいます。
「はやく!はやく!」の口ぐせを、
「わぁ、昨日より早くできたね。」と自信になる声かけに変えてみましょう。
また、急ぐ理由を具体的に説明したうえで、「だから頑張って〇時までに終わらせよう!」と納得して行動させるのも良いですね。
6.先回り発言が多い
「テレビばかり見てないで!」
「いつになったら勉強するの?」
「部屋を綺麗に片付けなさい!」
「まだ終わらないの?」
「あとどれくらい?」
そうやって、子供が行動を起こす前に先回りして口出ししたり、せっかく勉強しているのにやる気をなくすような声をかけたりしていませんか?
大人でも、行動する前にあれこれ口出しされるとやる気が薄れてしまいますよね。
子供の自主性を信じて、黙って見守り待つ時間をつくることも必要です。
7.指示・命令が多い
いつまでもテレビを見て、明日の準備や宿題をやる気配がない子供の態度を見て、
「テレビは終わりにしなさい!」
「いい加減に明日の準備をしなさい!」
「さっさと宿題しなさい!」
と、つい口うるさく命令口調で指示していませんか?
親が子供に命令ばかりしていると、子供はますます反抗的な行動が増えてしまいます。
いつまでもダラダラしている姿を見てイライラする前に、子供が自発的に考えるヒントを与えてあげましょう。そうすることで、子供は今何をするべきかを自分で考えて行動に移すことができます。
<例>
■一息つける時間を与えつつ宿題を促す
「今日もお疲れ様。ココアでも飲んでから宿題する?」
■子供自身に時間を決めさせる
「〇時にはご飯の準備ができるよ。宿題は何時からする予定にしてる?」
■選択肢を与える
「その番組が終わったら、先に宿題する?それともお風呂に入る?」
8.思い通りにならない親のイライラを子供にぶつける
言うことを聞かない子。
何度言ってもわかってくれない子。
変わらない子供の態度に、親のイライラは爆発の連発。
感情に任せて思い切り子供に怒鳴ったり叱ったりの繰り返しにもうんざり。
そんな気持ちに陥ってしまう時ほど、親自身の気持ちに余裕がないときです。
もしも親の思い通りに何でも言うことを聞く子が存在したら、自分で何も考えられない、自分で何も決めることができない、言われたことしかできない大人に成長する確率はとても高いでしょう。
子供だって人間ですから、親の思い通りにならなくて当たり前です。自分の子供であっても、自分とは違う感情と意志を持った人間なんだということを忘れてはいけません。
心に余裕ができると、子供にも余裕を持って接することができるようになります。
そのために、親自身の心を満たし、リフレッシュしてみる工夫はとても有効です。
子供のやる気を引き出すために親が今すぐできること7つ
1.「褒める」「感心する」「認める」
人は、褒められるとまた次も頑張ろうとやる気が出るものです。
とはいえ、間違った褒め方をしても子供のやる気は引き出せません。
「褒める」ことは「おだてる」こととは違います。
褒めることが大事だからといって何でもかんでも褒めていたら、「褒められる」という目的を達成するためにしか行動できない依存型人間を作り上げ、褒められないことはしなくなったり、褒められないと機嫌を悪くしたり、自分の意思で努力できない人間になってしまいます。
ここで言う「褒める」とは、「感心する」「認める」と言った方がわかりやすいかもしれません。
(例)
×「さすが!よくできたね。」
〇「へ~、なるほど、すごい!そんな方法もあるのね。ママは〇〇しか思いつかなかったわ。」
自分自身に置きかえて考えてみてください。
「偉い!」「すごい!」「さすが!」と抽象的に褒められるより、具体的に感心される方が、意欲がかき立てられますよね。
(例)
×「先に宿題を終わらせてから遊びなさい!」
〇「そのアニメ昔からあるんだよ。面白いよね。パパもよく見てたなぁ。」
「宿題もしないでテレビばかり!」と、行動を否定して注意されるばかりでは、子供はますますやる気をなくしてしまいます。まずは子供の意見や存在そのものを認め、対等に話ができる信頼関係を築くことが大事です。
宿題についてどうしても言いたいときは、押し付けや命令にならないように気を付けましょう。
「そのアニメ、宿題前に一息つくのにちょうどいい時間帯にやってるよね。昔はパパも見てたなぁ。」
のように、子供が自分で気付けるような言い方を考えてみると良いですね。
褒めるときのポイント
- 具体的に褒める。
- 努力したプロセスを認める。(結果だけを褒めない)
- 失敗しても努力したのであればその努力を認める。
- 他の人や物と比較して褒めるのはNG。
- 褒めることとアドバイスを同時にしない。アドバイスは日を改めて伝える。
(悪い例:「〇〇が良かった。でもこうすればもっと良くなるよ。」)
2.将来や進路について話をする
子供と将来や進路について話をする機会が少ない人は、これから少しずつ話す機会を増やしてみてください。
ベネッセ教育研究開発センターは、2011年、小学1年生~中学3年生までの子供を持つ母親を対象とした子育て生活基本調査を実施しています。
それによると、子どもと将来や進路について話をすることがある(よくある、時々ある)家庭は、ない(あまりない、ぜんぜんない)家庭と比べて学習時間が長い結果が出たそうです。
将来の夢や目標が明確になることでそれを達成したい意欲が湧いて自然に勉強しようと思えるため、子供と将来や進路について話をすることは、その目標をイメージさせる手助けになるというわけです。
3.選択肢を与える、子供に決めさせる
大人子供に限らず、自分で決めたことは意欲的に行動できるものですよね。
親が決めたことを押し付けたり言い聞かせたりしようとしてもやらされている気持ちが強くなるだけで、やる気をUPさせるには逆効果。
子供が自分自身で選び考えて行動できるような声掛けをすることが大事です。
声かけのポイント
「するか、しないか」を選択させるのではなく、「する」を前提に問いかけることがポイントです。
×「Aをしなさい!」
〇「AとB、どちらにする?」
×「やるの?やらないの?」
〇「先に宿題する?それともご飯食べてからにする?」
×「今日は雨が降るから傘を持って行きなさい」
〇「今日は雨が降るよ。普通の傘と折りたたみ傘、どっちを持って行く?」
4.プラスの声掛けをする
子供の気持ちが軽くなる声かけや、嬉しい気持ちが大きくなる声かけはとても重要です。
マイナスの声掛けは、一時的に子供のやる気をそぐだけでなく、子供に自己否定感を植えつけ、大人になってからも生きづらさを抱えて生きなければならない人間を育ててしまいます。
反対に、プラスの声かけは子供の自己肯定感を高め、失敗を恐れずさまざまなことに挑戦しようとする意欲を育てます。
うっかりマイナスの声かけをしていないか、時々振り返ってみましょう。
5.学習環境を整える
家庭内での学習は、リビング学習が学力アップに効果的と言われています。
静かな個室の方が集中できるのでは?とも思えますが、実は、適度に生活音がある環境の方が、雑音があっても集中できる力が身につきやすいのです。
リビング学習でやる気がアップする5つの理由
- 同じ空間に家族がいることで安心感が生まれる。
- 家族の目があることで自制できる。
- 自室と比べて誘惑が少ない。
- わからない問題をその場ですぐに質問できる。
- 生活音や環境音の中で集中力が養われる。
リビングでの学習環境の整え方
- 簡易デスクを用意する。
(テーブルで学習させる場合は、テーブルの上に勉強道具以外の物を置かない) - 辞書や筆記用具を片付ける収納スペースを確保する。
(リビングに常に置いておけるようにカラーボックスや本棚などを用意する) - テレビやゲーム、食べ物など、気が散るものを目につく場所に置かない。
- 照明を明るくする。
(リラックス効果がある暖色系の照明を使っているリビングでは、学習用のスタンドライトを用意する) - 椅子に座る姿勢のときは、足が床につくような椅子か踏み台を用意する。
リビング学習で親が子供のやる気を削がないための関わり方
- ジロジロ見ない。
(対面キッチンの場合は、キッチンに立って家事をしながら子供の後ろ姿が見える状態にすると良いです) - 親のほうからは余計な口出しをしない。
(つい口を出したくなることもありますが、グッとこらえて見守りましょう) - 子供が質問してきたときは家事の手を止めて答えたり、一緒に考えてあげる。
- 無理強いはしない。
(自室で勉強したい日、リビングで勉強したい日、など、気分で場所を変えたい子供もいます)
■リビング学習にはデメリットもある
東大生の2人に1人が実践するほど「良い」と言われるリビング学習ですが、メリットばかりでもありません。
勉強中は、勉強道具や消しゴムのカスで部屋が散らかったり汚れたりするデメリットもあります。
家族全員が出入りする場所なので気になりますよね。
「散らかさないで!」「汚さないで!」「消しゴムのカスを落とさないで!」と言いたくなるかもしれませんが、ここはグッとこらえて勉強が終わるまで黙って待ってあげてください。
勉強が終わったら片付ける習慣を早いうちから身に付けさせて、勉強中は勉強だけに集中できる環境を整えてあげることが大事です。
6.「勉強しなさい」と言わない
「いい加減に勉強しなさい!」
「遊んでばかりいないで先に宿題をしなさい!」
子供がいつまでもテレビやゲームで遊んでいたら、つい言いたくなる言葉です。
けれどもこんな時、
「これが終わったらやろうと思っていたのに、言われたからやる気なくした!」
「わかってるよ!いちいちうるさいなぁ!」
のような返事が返ってくることも、よくある親子の会話です。
人は誰でも強制や命令を嫌います。
言われたからと言って、「うん分かった!勉強するね♪」と素直に勉強をはじめる子供なら、親が口出ししなくても自分からやっていますよね。
「勉強しなさい」の一言は、マイナスの感情しか生みません。
たとえ親の命令で子供が勉強をはじめたとしても、やらされ感を抱いたままでは親が望む本当の成長はみられないでしょう。
もしもうっかり「勉強しなさい」と言ってしまって、「これが終わったらやろうと思ってたのに!」と返ってきたら、間違っても「うそばっかり!」なんて言わないでくださいね。
「そうだったの。あなたの計画も聞かずに怒鳴ってごめんね。じゃあ今日の予定を教えてくれる?」
このような、子供の心に寄り添う言葉を返すことによって、「わかってもらえた」「信じてもらえた」「認めてもらえた」という気持ちを抱かせ、自発的に行動しようという気持ちが湧いてきます。
7.感謝する
感謝を伝えることはとても大事です。
感謝の言葉は「人に褒められたい。認められたい。」という承認欲求を満たすため、挑戦意欲を高め、やる気アップにつながっていきます。
家族だから協力して当たり前と思わず、あなたのことをちゃんと見てるよ、認めているよ、という言葉とともに「ありがとう」を伝えたいものです。
「ここの〇〇を片付けてくれたのはあなた?よく気が付いたね。ありがとう助かったよ。」
まとめ
いかがでしたか?
親の思い通りに、理想の子供につくりあげる魔法の言葉は残念ながらありません。
しかし、子供のやる気を引き出すことができるかどうかは、親の接し方や声掛けひとつで変わっていきます。
「つい言ってしまっていた一言が子供のやる気を奪っていないか?」
「子供の意思を尊重できているか?」
「子供に自分で考える時間を与えているか?」
を考えて、今日からできることを少しずつはじめてみましょう。
子供を変えようとするのではなく、子供との日々の関わり方を変えることが重要なのです。