子どもは毎日たくさんの嘘をつく!子どもがつく悪い嘘とその原因を探ろう!

子どもが嘘をついた時に
「何でそんなことを言うの?!」とやみくもに叱ってしまったことはありませんか?
子どもが嘘をつくのには何らかの原因があるため、単純に駄目なことを伝えるだけでは解決しないことが多いです。
まずは子供がついている嘘が悪い嘘かどうかを考え、
「どうしてそうなってしまったのか」
と、 原因をつきとめることから始める必要があります。
この記事では、嘘には色々な種類があることと、子どもが嘘をつく原因、それに対して親はどう対処したら良いのかを解説します。
▼目次
人は1日に200回嘘をつく?
「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざもあるように、嘘をつくのは悪いことですが、嘘なしでは生きていけないのも事実です。厳密な数については諸説ありますが、「どんな人間でも無意識に1日200回は嘘をついている」と主張する心理学者が多いです。
いけないのは嘘をつくことではなく、ついて良い嘘なのか?悪い嘘なのか?ということなのです。まずは嘘にどのような種類があるのかをみていきましょう。
嘘にも色々な種類がある!ついて良い嘘と悪い嘘
子供特有の嘘として、「現実と空想の世界を混同している嘘」があります。
例えば、夢を見てその夢を元に作られた嘘や、実際にしてみたい願望による嘘などです。
「おおかみさんとお話したの。」
「ぼく、本当はスーパーマンなんだ!」
これらの嘘に関しては、子供自身の創造力を育てる基盤となり、年齢を重ねるにつれてなくなってきます。そのため「そんなことあるわけないでしょ!」と指摘する必要はないのです。
一方、注意しなければならない嘘としては、
- 人の気を引きたいがための嘘
- 怒られないためにつく嘘
- 親の真似をしてつく嘘
などが挙げられます。
これらにはそれぞれ嘘をついてしまう子どもの心理状況が関係しているので、これらの嘘が多い場合は注意して見てあげる必要があります。
子どもが悪い嘘をつく原因
我が子が悪い嘘をついた時、親としては非常に不安になりますよね。「大人の何気ない言動で、子どもが嘘をつく環境を作り出してしまうのかも…」と感じる方もいるでしょう。
それはあながち間違っておらず、大人の対応によって「嘘をつく子ども」になってしまうことが実はとても多いのです。
その原因となることをしていないか、以下をチェックしてみてください。
親がしていることを真似する。
「子どもは親の背中を見て育つ」と昔から言われるように、親の仕草・行動を見て子どもは育ちます。
親が人に優しくしていれば「ぼくも人に優しくしないと!」と子どもも感じ、親と同じように人に優しくなれることが多いです。
反対に、親が宣言したことを実行しなかったり、子どもと約束したことを守らなかったりすると、「あぁ、嘘をついてもいいんだ」と子どもが理解するようになります。
これを繰り返すことで、子どもは親を信用できなくなります。
そして、そのはけ口として乱暴になったり、引きこもりになったりすることもあるのです。
毎回予定通りとはいかずとも、決められた約束は極力守り、守れなかった時はきちんと反省する姿を子どもに見せることが大切です。
もっと自分のことを見て欲しい。
子どもが痛くもないのに「お腹が痛い」と言って心配させたり、わざと物を壊したりという行為は、そう主張することで自分だけを見て欲しい、という感情のあらわれです。
特に兄弟ができて、親が下の子ばかりに付きっきりになっていると、上の子は寂しくなりこういった行動に出ます。
「ママは●●のことが大好きだよ」と言葉に出して伝えたり、子どもを抱きしめてあげたり、子どもと1対1で向き合える機会を作ったりすると、良い方向に向かうでしょう。
叱られるのが怖い
子どもが悪いことをした時、つい感情的になったり、声を荒げてしまったりしていませんか?
勿論ダメなことをダメと伝えるのは大切です。しかし、あまり強く叱りつけたり、子どもの意見を聞かないで親の意見を押し付けたりすると、子どもは萎縮してしまいます。
すると、親や周りの大人に怒られないようにと顔色を伺いながら言葉を選んだり、本当はしていないのに「した」と主張したり、すなわち嘘をつくようになってしまうのです。
人に嫌われたくない
大人が周囲との人間関係をなるべく良好に保ちたいのと同じで、子どもも幼稚園・小学校という小さな集団の中で、周りの仲間に嫌われたくないと思っています。
そのため、本当は思っていないけれど「可愛いね♪」と言ったり、あまり興味がないことでも話を合わせたりしてしまいます。
しかしこういった人を思いやる嘘は、大人になると必要になることもありますよね。
子どもが成長しようとしているんだな、と温かく見守ってあげると良いでしょう。
パーソナリティ障害の可能性
パーソナリティ障害(人格障害)とは、対人関係や感情・行動のコントロールに問題が生じる障害のことです。
周囲への不信感や不安感から自分を守るための嘘をついたり、相手の気を引くために大げさなことを言ったり自傷行為を繰り返したり、人格機能の偏りからさまざまな問題行動を起こすのが特徴です。
A群(奇妙で風変わりなタイプ)
- 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
- 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
- 統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)
B群 (感情的で移り気なタイプ)
- 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
- 自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
- 反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
- 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)
C群 (不安で内向的であることが特徴)
- 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
- 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
- 回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)
パーソナリティ障害の治療には、周囲の協力が不可欠です。
日常生活に支障をきたすほどの症状で困っている場合は、信頼できる精神科・心療内科への受診をおすすめします。
子どもが嘘をついた時の適切な対処法とは?
親の何気ない行動によって嘘をつくようになる子供たち。
嘘をつくことが癖になってしまわないように、親として再発防止に努めなければなりません。
では、実際に子どもが嘘をついたその瞬間、親としてどう対応してあげれば、子どもに良い影響が与えられるでしょうか?おすすめの対処法をご紹介します。
子どもの話をしっかり聞いてあげる
まずは「どうして嘘をついたの?」と優しく問いかけ、しっかりと話を聞いてあげましょう。
怒るのでも厳しく追及するのでもなく、質問をするのです。
子どもなりに、周りの仲間と何かあったのかもしれないし、寂しい気持ちを抱えているかもしれません。本人ではないので厳密な気持ちは分かりません。しかし、話を聞きもしないで怒ってしまうと「話を聞いてくれない」と子どもは感じてしまいます。
それ以外にも、子どもの周りで環境の変化がなかったかどうか、親の視点でも考えてみましょう。
最も大切なのは、嘘をつくという行為の裏に隠されている、子ども気持ちを察してあげることです。
親が感情的になったりしないで、話をしやすい雰囲気を作る
話をする時に、親が感情的になったり怖い顔をしていたりすると、子どもは委縮して思っていることを話せなくなります。
親自身が落ち着いて、一度深呼吸してから子どもと接するようにしましょう。
そして、話す時は「ながら作業」にしないで、一度作業の手を止めて子供と向き合ってください。作業をしながら子どもと接すると、子どもは「ぼくの話を真剣に聞いてくれていない」と感じて、親の気を引くためにまた嘘をついてしまう恐れがあります。
「ママとお話しようよ」とリラックスできる雰囲気を作った方が、色々と隠している気持ちを話してくれやすくなるでしょう。
原因をはっきりさせ、嘘をつかない環境作りを!
結果には原因があり、その原因が分からないと適切な対処ができません。
一人で悩むのではなく、夫婦や祖父母、信頼できる友人とも相談して解決策を探ってみましょう。そして、親が何か変えれば解決するような問題ならば、なるべく子どもが生活しやすい環境を作ってあげることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
子どもは、実際にあり得ないような世界を想像することで創造力を身につけ、人のためになる嘘をつくことで仲間を増やします。
大人になる過程で、適切な嘘のつき方を勉強しているのかもしれませんね。
しかし、あまり嘘ばかりついて生きていると、逆に仲間から嫌がられ、人から信用されなくなってしまう恐れもあります。
まずは子供の心に寄り添い、話をしっかりと聞いてあげること。
そして、子どもの成長を近くで見守り、尺度を教えてあげられる親や周囲の大人たちが、子どもが嘘をつかなくてもよくなる環境作りをしてあげることが大切なのです。