かわいそうって言われて辛い・・・。保育園へ0歳から預けたときの影響は?

0歳から保育園へ預けると言うと、周囲から
「0歳から保育園なんてかわいそう」
「そこまでしてお金を稼ぎたい?」
「3歳まではお母さんがみないとダメよ」
などと言われたり、お母さん自身も保育園に預けて心の傷にならないか?今後の性格に何か影響がでるのではないか?と心配になったりしますよね。
私自身も3人の子どもを0歳から保育園へ預けていて、最初の頃はとても心配になった覚えがあります。
しかし、実際に預けてみると、0歳児保育には悪い影響だけでなく良い影響もあることがわかったんです。
そこで今回は、保育園に0歳から通わせるメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
▼目次
0歳保育に罪悪感を抱かせる【3歳神話】
0歳から保育園に預けることへ罪悪感を抱いてしまうお母さんが多いのは、この「3歳神話」が根強いことが、理由のひとつとして挙げられます。
3歳神話とは?
「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、乳幼児期の子育ては重要であるから3歳まではお母さんが子育てに専念すべきだ、という考え方です。
しかし、現在はこの考えを否定する人も多く、「平成10年版厚生白書」では、3歳児神話の考え方に合理的根拠は認められないと否定されています。
第2章 自立した個人の生き方を尊重し,お互いを支え合える家族
第4節 親子
母親が育児に専念することは歴史的に見て普遍的なものでもないし,たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能である。また,母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる,との指摘も強い。欧米の研究でも,母子関係のみの強調は見直され,父親やその他の育児者などの役割にも目が向けられている。三歳児神話には,少なくとも合理的な根拠は認められない。厚生労働省HPより
福祉国家である北欧では専業主婦率2%、共働き率90%以上
福祉国家と言われる北欧では、男女共に育児休暇が普及しており父親の家事参加率は40%以上と、家事育児への関わりがとても高いです。
0歳から保育園へ行く子どもが多いわけではありませんが、希望すれば誰でも保育園へ通えるという法整備が整っているため、3歳まで家庭でお母さんがつきっきりで見ることは一般的ではありません。
そして、子どもが小さい頃から共働きが一般的な北欧では、幸福度ランキングが世界で1-10位以内ととても上位なのです。
保育園へ0歳から通うと愛着障害をおこす?
愛着障害とは、乳幼児期に受けるべき愛情を十分に受けられず、情緒や対人面に問題が起こる状態のことです。
人を信じられず他者とのコミュニケーションを恐れる、初対面でも誰彼構わずなれなれしく近づく、といった症状が現れ、その後の人生に大きな影響を与えるため、乳幼児期の愛着の形成はとても重要です。
愛着障害の原因になる5つの事例
- 養育者との死別
- 養育者から受ける虐待やネグレクトなどの育児放棄
- 養育者が子どもに対して無関心、または放任、無視
- 養育者が頻繁に変わり、特定の養育者との信頼関係が築けない
- 兄弟姉妹の間で明らかに差別されて育てられた
このことからもわかるように、0歳児保育が愛着障害を起こすかというと、基本的信頼感が育まれてさえいれば、愛着障害を起こすことはありません。
一緒にいる時間にどれだけ愛情を注いであげられるかが大切なのです。
0歳の発達課題は「基本的信頼感の獲得」
基本的信頼感とは、母親をはじめとする養育者から与えられる愛情によって、自分を「価値のある人間だ」「生きていていい人間だ」と思える安心感や信頼感、自己肯定感のことです。
人生において人間関係を築くための基礎になるものなので、とても重要なことが分りますよね。
基本的信頼感を育むために最も大切な時期は、0歳~1歳半頃までと言われています。
この時期に、毎日決まった大人が子どものお世話をすることが信頼関係を築くのにとても重要なのです。
基本的信頼を獲得するには、肌と肌で触れ合ったり、話しかけたり、微笑みかけたり、オムツを替えたり、たくさん手をかけてお世話をし、スキンシップを図りましょう。
四六時中同じ家で生活するだけでは信頼関係は築けません。一緒にいる時間にしっかりと愛情をかけて接することが大切なのです。
保育園に0歳から預けるメリット「良い影響」6つ
1.家ではできない大胆な遊びをさせてもらえる
口に入れても大丈夫な絵具を使った遊びや、小麦粉を使った粘土遊びなど、家ではつい「やめて」と言いたくなるような後片付けが大変な遊びも思いっきりさせてもらえます。
また、夏場は毎日のように水遊びをさせてもらえますし、公園への散歩など、季節をゆったり感じながら自然と触れ合うこともできます。
その他、家庭ではなかなか思いつかないような遊びや、普段させてあげられないような遊びをたくさん体験させてあげることができます。
遊びの内容は保育園によって異なりますので、保育園を選ぶときに確認すると安心です。
2.生活のリズムが整いやすい
まだ0歳の赤ちゃんは、生活のリズムが整っていないことが多く、なかなか予定通りにいかないことも多いです。
けれど、1歳児、2歳児の園生活に向けて、少しずつ1日のスケジュールに合わせた生活リズムが身についていくため、授乳やお昼寝のタイミングが家庭よりも整いやすいです。
3.栄養バランスの考えられた離乳食を食べさせてもらえる
おかゆ・おかず2品・スープなど、栄養バランスが考えられた離乳食を食べさせてもらうことができます。
また、離乳食の進め方や普通食への移行も、日中の食べ具合などからアドバイスしてもらえたり、保育士と相談したりしながら進めることができます。
食事の栄養面、衛生面、味や見た目、季節感など、食に対する配慮で気になることは、保育園を検討する際に確認しておくと安心です。
4.保育士へ育児相談ができる
育児に対する悩みを担任保育士に相談でき、どう解決するか、どう対応するか、家庭と保育園で連携をとりながら一緒に考えることができます。
また、保育園では、保育士や他の保護者から同年代の子育て情報が入りやすいため、疑問や不安を解決しやすい環境で子育てすることができます。
5.保育園に慣れるのが早い
早い時期に入園した赤ちゃんは特に、物心つくころには自然に園生活を受け入れられていることが多いため、1歳からの入園よりも慣れるのが早いです。
6.親の心に余裕ができる
病気や産後うつ、育児疲れ、その他事情があって24時間の子育てが辛い人もいるでしょう。
家事も育児もままならない時、回復のために保育園に預けることは後ろめたいことではありません。保育園でのサポートは強い味方になってくれるでしょう。
もちろん健康なお母さんにとっても保育園は強い味方です。ご家庭の事情で子供を預けなければならないとき、子供と離れる時間ができることで一緒にいる時間をより大切にしようと思えるメリットがあります。
保育園に0歳から預けるデメリット「悪い影響」4つ
1.病気にかかりやすい
最大の悪影響は、家庭保育よりも圧倒的に病気にかかりやすいということです。
必ず病気にかかるわけではありませんし、健康なまま病気知らずで成長する子供達もいますが、子どもが保育園へ行くようになると、今まで病気に馴染みがなかった人も「ヘルパンギーナ」「手足口病」「アデノウィルス感染症」「溶連菌感染症」「ノロ・ロタウィルス」「マイコプラズマ肺炎」など、様々な病名を耳にする機会が増えるでしょう。
ただし、2人目3人目の子供となると、保育園に行かなくても上の子から病気をもらう可能性も増えてきます。
2.子供の成長を見逃す可能性がある
0歳児の成長は目まぐるしく、新しい発見や感動がたくさんある時期です。
はじめてのハイハイ、はじめてのおすわり、はじめてのひとり立ち、はじめての言葉など、たくさんの「はじめて」を保育園で経験されてしまうと、「はじめて」に立ち会えたときの喜びや感動を味わえないことがあるかもしれません。
3.母乳について考える必要がある
母乳で育てたいお母さんや、赤ちゃんが粉ミルクを嫌がる場合は、母乳の準備をしなければなりません。
一般的には搾乳して冷凍保存したものを保育園へ持たせますが、哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんには、お母さんが仕事を抜けて保育園に授乳しに行くなど、対策を考える必要もでてきます。
お母さんの希望と保育園の方針が合わないこともあるため、母乳保育への考え方が希望に合った保育園を選択すると良いでしょう。
4.赤ちゃんもストレスを感じる
いくら保育園で泣かずに楽しそうに過ごしていても、赤ちゃんなりにストレスを感じています。
大人だって、どんなに楽しく遊んでも、どんなに楽しく働いても、家に帰ればホッとしてリラックスできますよね。
静かな場所での生活から、急に親がいない賑やかな場所での生活に変わるのですから、小さな心と体で、新しい環境で受ける刺激を敏感に感じ取っているのです。
赤ちゃんのストレスを少しでも和らげるために、保育園との連絡を密にして「親がいないときはこの人に頼っていいんだ」と思える環境を整えるとともに、家庭では赤ちゃんが発するSOSを見逃さない親子関係を築くことが、家庭保育以上に大切になってきます。
<ストレスが原因で発する赤ちゃんからのSOS>
- 下痢、便秘
- 発熱、嘔吐
- 蕁麻疹
- 泣く回数が増える
- 夜泣きがひどくなる
- 母乳やミルクを飲まなくなる
- あやしても笑わず、表情が乏しくなる など
保育園へ0歳から通うわが子の場合
(※画像はイメージです)
保育園へ0歳から入園して現在は年長となった保育園歴6年のわが子の場合、大好きな先生やお友達に恵まれて保育園で遊んだことやお散歩の場所、食べたご飯などを毎日楽しそうに教えてくれます。
我が家では3人の子供を保育園で0歳からお世話になっていますが、子供の成長に悪い影響がでていると感じたことは一度もなく、みんな、のびのびすくすくと成長してくれています。
確かに、この時期の子供が健全に育つためには特定の愛着対象が必要で、それはどんなにベテランの保育士でもやっぱり親にはかなわないでしょう。
けれど、0歳から保育園に預けることは必ずしも可哀そうなことばかりではありません。
かわいそうな子供にしないために、一緒にいる時間の関わりが重要なのはもちろんのこと、子どもが少しでも安心して過ごせるように細かく配慮された保育園を選ぶことは大切です。
「空きがあればどこでも」という考えで保育園を選んだあとで保育園の育児方針に違和感を覚えて後悔したり、子供のストレスからくるSOSを見逃して健全な成長の妨げになったりしないように、赤ちゃんとしっかり向き合って、今しかない一瞬一瞬を大切に過ごしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
仕事や病気など各家庭には様々な事情があります。
保育園へ行っていても行っていなくても、子どもにとって大切なのは家庭での関わり合いです。
保育士がお母さんの代わりになる事はできませんから、0歳児を保育園へ預けることで、お母さんも心を削られるような寂しさがありますし、子供にも少なからず負担があるでしょう。
それでも、一緒にいる時間は愛をもって接し、休日には深いスキンシップをとるなどして、できる限りの愛情表現をすることで子どもにも必ず親の愛情は伝わるはずです。
保育園へ入園する際は保育園を見学し、保育方針など情報収集をして、子どもが良い環境で良い影響をたくさん受けて過ごせるように、納得できる保育園を選べるといいですね。